もう「言われたことをやる」では生き残れない。今日本人に必要なマインドチェンジ
【2020年の教育問題】を石川一郎氏が徹底解説3/3
もう変わるしかない。他人事ではなく、自分事で注視すべき
シズカ…ふと思ったんだけど、親も子どもの教育に積極的に関わったほうがいいのかもね。今までは学校に任せておけば大丈夫だった部分はあるでしょうけど。。
石川…より自己責任が問われる時代と言えるでしょうね。今回の改革が成功するにしても骨抜きになるにしても、これからの社会で求められる力と従来の教育の内容に乖離が生じているのは確かな事実。自分の子どもをどう育てれば社会で活躍できるのか、親も考える必要はあるでしょうね。
トオル…具体にはどうすればいいの?
石川…例えば、定期テストの順位を気にする親御さんは多いと思います。まあ相対的に他の子どもたちより要領がいいのであれば、そこを目指す方向性はありだと思います。どんな時代でもそういった人間の需要はありますから。しかし、もしお子さんの成績ががんばっても真ん中くらいであれば、無理やり上位に食い込ませるのは得策とは言えないでしょう。むしろお子さんの好きなことや得意なことを伸ばすことを後押しすべきです。
シズカ…なるほど。
石川…これまでの日本は「努力」という指標が支えてきました。実際、昭和人は努力や忍耐が大好きです。でも、平成人は段々とそれだけでは通用しなくなる、と気づきはじめているはずです。デフレ下に住んでいるからピンと来ないのだと思いますが、今の学生のほうが自分が得意なものを見つけてどう食い込んでいくかということを知っているような気がしますね。
トオル…でも、なんか納得しないよなー。「言われたとおりに動くこと」を教えられて、いざ社会に出たらそれで通用しないんだから。
石川…言われたとおりにやったら褒められ、余計なことをすれば弾かれる。それでは、何か考えて行動しようという人間にはなりづらいですよね。日本は「言われたとおりにやる」ことが宗教のように蔓延しています。これが日本社会の深い闇といえるでしょうね。
トオル…根深いよね。
石川…例えば、いわゆるザ・日本的な企業は就職面接で「あなたのやりたいこと何ですか?」と聞きますし、独自性や個性を問うものの、いざ入社すると基本的に言われたこと以外やらせませんから。
シズカ…でもそれだと厳しいってことですよね。それこそ、日本の有名な家電メーカーも潰れそうになっていますし。
石川…そういう状況でもありますから、今回の改革には期待したいですよね。といいますか、変わらないと取り返しのつかないことになる可能性も高い。だからこそ、他人事だと思わずに注視していくことが重要になると思います。
〈第一回:教育の2020年問題って知ってる? 背景にあるのは安倍政権・財界の要望〉
〈第二回:センター廃止にはじまる教育改革。教師たちは「ゆとり教育」失敗の教訓をいかせるか〉
〈4コマ編:4コマで分かる!?『2020年の教育問題』〉